社会科学研究会

一人の人間を救えない社会科学なんていらないー日本のこと、世界のこと、人間のことを真剣に考え発信します。

2014-05-01から1ヶ月間の記事一覧

寛容の意味

今回は、寛容とは何かについて考えてみようと思います。そもそも人間は互いに異なるからこそ、認め合うことが可能になるのだと私は思います。もしも人々の価値観の画一化・同一化が進んでしまったら、人々は互いに寛容ではなくなってしまうのではないでしょ…

日本という戦場

先日、私がいつも利用するJRの駅にて駅の券売機の所で硬貨を落とした人がいました。その時、私は硬貨を拾って持ち主に渡しました。私が電車に乗り込む時に、今度は後ろに並んでいた先ほどの人とは別の人が私の切符を拾って渡してくれました。どうやら、切符…

西郷隆盛ーことばでは語りえないもの

明治十年(1877年)、近代の日本では最大でありかつ日本史上最後の内戦が起こりました。内戦を主導した人の名は、西郷隆盛。その戦いは、西南戦争と呼ばれています。今回は、西郷隆盛という人物に着目し、これからの日本と世界のために何が出来るのかを考え…

人民の代表はありえないのか

政治体制の一つに、議会制民主主義または代議制と呼ばれる制度が存在します。それは、議会のメンバーである議員を市民による投票によって決定するシステムです。日本における国政選挙、そして地方議会の議員を選ぶ選挙においてもこの制度が採用されています…

新しい人権

日本国憲法の第三章(国民の権利と義務)には、各種の人権規定が置かれています。いわゆる人権のカタログと呼ばれているものです。そこには例えば、思想良心の自由や信教の自由、集会・結社・表現の自由など他にも様々な人権規定が置かれています。日本国憲…

父とは何か

「子にとって母親はこの上なく確かであるが、父親は常に不確かである。」これは、ローマ法の格言の一つであり、今までに繰り返し言われてきました。近代の家族法においても、この論理が引き継がれています。つまり、母親は子の嫡出という事実によって明らか…

憲法改正の是非

昨今、日本国憲法の改正論議が行われるようになりました。私は、日本国憲法の改正について積極的に賛成の立場でも反対の立場でもありません。しいて言えば、憲法改正の論議はあった方が良いと私は思いますが、絶対に改正すべきだとは思えません。私はどうし…

日本人であること

私は、日本人です。しかし、私が日本人であることはどのように規定されているのでしょうか。日本人とは何でしょうか。今回は、このことについて考えてみようと思います。日本人は、日本語を用います。日本人は、日本国籍を持っています。しかしこのことは、…

現状論と規範論

今回は、規範とは何かについて考えてみようと思います。人間にとって規範というものは、必要不可欠なものではないでしょうか。なぜなら、人間は先のことを考えてしまう生物であるからです。人が安定した気持ちで生活することが出来るということは、何らかの…

ナショナリズムと文化

ナショナリズムとは何か。今回は、この問いに対して考えてみようと思います。ナショナリズム(nationalism)という言葉は日本語では、国家主義、国民主義、民族主義などと訳されています。ナショナリズムという言葉が何故このように多様な呼び方をされるのか…

生きのびるために

昨今、「なぜ生きるのか」「生きるとは何か」ということが多く語られているように感じられます。しかしそもそも生きることに、目的や理由など存在するのでしょうか。近代以降、「なぜ生きるのか(=Why we live)」ということが重要視され、「どのように生きる…

なぜ反革命なのか

革命という言葉を、私は信じることが出来ません。何故なら革命は、何かを壊すことしか出来ないからです。私は、大事なものを壊していく人々に賛同することは出来ません。フランス革命は、封建制と王制を破壊しました。さらにマルクスは政治の問題を経済の問…

外国人の人権

現在の主権国家体制においては、国家は自国の国民を守るものとされています。しかし、当該国の国籍を持っていないいわゆる外国人の権利や地位はどのように規定されるのでしょうか。外国人は、どこの国においても存在し得ます。例えば、私は日本国籍を持って…

認知症男性の列車事故訴訟・控訴審判決(2014年4月24日)

2014年4月24日、名古屋高等裁判所にてある訴訟の控訴審判決が下されました。名古屋高裁は、2007年に愛知県大府市で電車にはねられ死亡した当時91歳の男性の遺族に、JR東海の振り替え輸送代など359万円の支払いを命じました。男性は当時、認知症を患ってい…

なぜ人権なのか

「人権」(human rights)という言葉は、今日様々な機会に耳にするようになりました。日本国憲法も、第三章に人権の規定を置いています。人権とは何か。なぜ人権が必要なのか。今回は、そのことについて考えてみようと思います。人権とは、人間が生まれなが…

或る問題の対処方法

今回は、今から五年前に起こったある事件について考えてみようと思います。この事件について個人的には本当は触れたくなかったのですが、いずれ考えなければならない問題であると思ったので、書くことに致しました。2009年8月15日に都内の靖国神社にて、ある…

現実の人間の感触

人間にとって怖ろしいものとは、何でしょうか。私は、現代に生きている人の中で人間を怖ろしいと感じている人はかなりの数存在すると思います。現代文化は、必然的に人間を怖ろしいものだと思わせるような文化であるからです。なぜ人間は、自分と同じ人間に…

脱リスク社会へ

現代に生きる人間は労働だけに多くの時間を使っていたり、学校の活動だけに多くの時間を使っていたりします。一日の時間の大半を特定の事だけに使うことによって、リスクが特定の場所に集中して現れることになります。例えば、仕事に一日の大半を費やしてい…

私的自治の原則とはー制限行為能力者制度の観点からみる

日本をはじめ多くの国が西洋諸国の影響による近代化を経てきた現在、日本においても近代市民法の三原則と呼ばれるものがあります。その三原則とは、「権利能力平等の原則」、「所有権絶対の原則」、「私的自治の原則」と言われるものです。「権利能力平等の…