社会科学研究会

一人の人間を救えない社会科学なんていらないー日本のこと、世界のこと、人間のことを真剣に考え発信します。

社会

性別の意味

性別とは、どのような意味を持っているのか。少し考えると、性別を持っているということは不思議なものだと思います。必ずしも自ら選んだわけではない性別が、人生に影響を与えるということは、ある意味では人間の理性では説明できないことなのではないでし…

個人主義、社会、因果関係

今回は、社会を捉える方法とその問題点について考えてみようと思います。まずは、個人と社会の問題について考えます。例えば、一人の人間が働く場所や仕事を見つけられなかった時に、それはまず第一に社会の問題であるはずです。なぜなら、あらゆる仕事は、…

尊厳死という罠

昨今、尊厳死(death with dignity)という言葉が聞かれるようになりました。尊厳死とは一体何のことでしょうか。今回は、そのことについて考えてみようと思います。尊厳死という言葉を字義通りに解釈すると、それは人間の尊厳を保ちながら死を迎えることで…

寛容の意味

今回は、寛容とは何かについて考えてみようと思います。そもそも人間は互いに異なるからこそ、認め合うことが可能になるのだと私は思います。もしも人々の価値観の画一化・同一化が進んでしまったら、人々は互いに寛容ではなくなってしまうのではないでしょ…

日本という戦場

先日、私がいつも利用するJRの駅にて駅の券売機の所で硬貨を落とした人がいました。その時、私は硬貨を拾って持ち主に渡しました。私が電車に乗り込む時に、今度は後ろに並んでいた先ほどの人とは別の人が私の切符を拾って渡してくれました。どうやら、切符…

父とは何か

「子にとって母親はこの上なく確かであるが、父親は常に不確かである。」これは、ローマ法の格言の一つであり、今までに繰り返し言われてきました。近代の家族法においても、この論理が引き継がれています。つまり、母親は子の嫡出という事実によって明らか…

日本人であること

私は、日本人です。しかし、私が日本人であることはどのように規定されているのでしょうか。日本人とは何でしょうか。今回は、このことについて考えてみようと思います。日本人は、日本語を用います。日本人は、日本国籍を持っています。しかしこのことは、…

現状論と規範論

今回は、規範とは何かについて考えてみようと思います。人間にとって規範というものは、必要不可欠なものではないでしょうか。なぜなら、人間は先のことを考えてしまう生物であるからです。人が安定した気持ちで生活することが出来るということは、何らかの…

生きのびるために

昨今、「なぜ生きるのか」「生きるとは何か」ということが多く語られているように感じられます。しかしそもそも生きることに、目的や理由など存在するのでしょうか。近代以降、「なぜ生きるのか(=Why we live)」ということが重要視され、「どのように生きる…

なぜ反革命なのか

革命という言葉を、私は信じることが出来ません。何故なら革命は、何かを壊すことしか出来ないからです。私は、大事なものを壊していく人々に賛同することは出来ません。フランス革命は、封建制と王制を破壊しました。さらにマルクスは政治の問題を経済の問…

外国人の人権

現在の主権国家体制においては、国家は自国の国民を守るものとされています。しかし、当該国の国籍を持っていないいわゆる外国人の権利や地位はどのように規定されるのでしょうか。外国人は、どこの国においても存在し得ます。例えば、私は日本国籍を持って…

認知症男性の列車事故訴訟・控訴審判決(2014年4月24日)

2014年4月24日、名古屋高等裁判所にてある訴訟の控訴審判決が下されました。名古屋高裁は、2007年に愛知県大府市で電車にはねられ死亡した当時91歳の男性の遺族に、JR東海の振り替え輸送代など359万円の支払いを命じました。男性は当時、認知症を患ってい…

なぜ人権なのか

「人権」(human rights)という言葉は、今日様々な機会に耳にするようになりました。日本国憲法も、第三章に人権の規定を置いています。人権とは何か。なぜ人権が必要なのか。今回は、そのことについて考えてみようと思います。人権とは、人間が生まれなが…

現実の人間の感触

人間にとって怖ろしいものとは、何でしょうか。私は、現代に生きている人の中で人間を怖ろしいと感じている人はかなりの数存在すると思います。現代文化は、必然的に人間を怖ろしいものだと思わせるような文化であるからです。なぜ人間は、自分と同じ人間に…

脱リスク社会へ

現代に生きる人間は労働だけに多くの時間を使っていたり、学校の活動だけに多くの時間を使っていたりします。一日の時間の大半を特定の事だけに使うことによって、リスクが特定の場所に集中して現れることになります。例えば、仕事に一日の大半を費やしてい…

社会と公共性の論理

社会とは何か。今回は、この問いに対して考えてみようと思います。元々、「社会」と言う言葉は日本語由来の言葉ではありませんが、私自身が考える社会というものについて書きたいと思います。「社会」と言った時に、確かに一人の社会や二人の社会というもの…

心の平和ー新しい安全保障

安全保障の概念は、これまで国内と国外という条件(主権国家)の確立と共に国内の人間、生命、財産等を国外から守るという前提から考察されてきました。それは、17世紀以来の主権国家体制の成立という歴史的な事情を考えれば、当然のことだと言えるでしょう…

札幌・姉妹孤立死事件(2012年1月20日)

今回は、ここ数年間で私が最も衝撃を受けた事件について書きます。2012年の1月、北海道札幌市で事件が起こりました。札幌市のあるマンションの一室で、40歳代の女性二人が遺体で見つかりました。この二人の女性は、姉妹でした。お姉さんの方は自らが病気に苦…

個人主義の日本

かつて日本が、これほどの個人主義の国になったことがあったでしょうか。今や日本という国は、以前には当たり前だったことが出来なくなっているのです。個人主義というものは、恐ろしい病です。個人主義の最も恐ろしい所は、誰もが同じ原則に従わなければな…