社会科学研究会

一人の人間を救えない社会科学なんていらないー日本のこと、世界のこと、人間のことを真剣に考え発信します。

SLIMテキスト

 お世話になっております。「社会科学研究会」運営者です。先日お知らせした通り、【永遠に生きるための学校 SLIM】という学校の活動を始めました。今回は、SLIMで使用するテキストをご紹介します。現時点でのテキストは、以下の通りです。

 

<SLIMテキスト>

【目次】
<はじめに>
1.ポジティブなセルフイメージ
2.「生きる」とは?
3.目的・目標設定(マスターリスト)
4.目標達成のための計画・未来年表作り
5.目標達成のための習慣(しくみ)作り


<はじめに>

 ずっと下向いていたっていい
 何もしなくていい

 ポジティブになれなくたっていい
 目標がなくたっていい

 優しくなくたっていい
 対人恐怖症でもいい

 沈黙にたえられる場所
 本当の絆

 存在を認める場所
 永遠に生きるための学校


これから一緒に学んでいく場所、「永遠に生きるための学校(SLIM)」は皆さんの居場所そのものです。
このテキストは、私たちがこれから学んでいくうえで「道しるべ」となるものです。
このテキストを使って、あなたが自分の人生を生きることができるようになるため、あなたの人生をより豊かにするために、粘り強く指導します。
また、指導する際はこのテキストをベース(土台)にしながら、指導法をあなたに合った方法にカスタマイズします。

私たちSLIMは、あなたを信じます。信じつづけます。
だから、私たちを信じてください。

永遠に生きるための学校(SLIM)は、教育革命を起こします。それは、この国の教育のデファクトスタンダードを変えることであり、人生の困難を自分の力で乗り越える力を身につけることです。
私たちは、たたかいつづけます。
この国の人々がもう”永遠に”思考の漂流から脱するために。
この国の人々が永遠に生きるために。

これから一緒に楽しんでいきましょう!
Let's enjoy with us!


【本文】
1.ポジティブなセルフイメージ

<主観的事実に依存する世界>
SLIMが提唱する「セルフヘルプ教育」(Self-Help Education)の前提となる考えがあります。
それは、世界は「自分が自分のことをどのように見て、感じて、考えているか」に依存しているということです。ここで、「自分が自分のことをどのように見て、感じて、考えているか」を「セルフイメージ」(自己概念)と呼びます。セルフイメージに依存しているのは、今自分の見ている世界や自然環境、人間関係などにいたるすべてのものです。信じられないかもしれませんが、物理法則でさえ、人間が「そうであると思っているもの」(主観的対象)に依存します。ここで、例を挙げます。「寒い」という事実は客観的事実(objective fact)ではなく、主観的事実(subjective fact)でしかないということです。つまり、世界は主観的事実によって成り立っていると言ってもよいでしょう。そのように考えると、人間が用いる概念や言葉の中には、決定的に誤っているものが存在することが分かります。それは、「~べき」(should)、「~しなければならない」(must)、「~でなければならない」(must be)という概念です。なぜなら、それらは客観的事実(そうであることが客観的に証明され、もしくは信じられている事実)の概念を前提にしているからです。
SLIMの「セルフヘルプ教育」では、このような客観的事実を前提とした指導を行いません。SLIMでは、「世界は主観的事実によって成り立っている」という認識のもとで、生き抜く力を身につけるためのトレーニングを行います。
では、主観的事実によって成り立っているこの世界の中で、自力で生き抜くためにはどうすればよいか。その際に決定的に重要になってくるのが、セルフイメージを開発するということです。主観的事実に依存している世界においては、セルフイメージを変えれば、世界も変わります。セルフイメージが変わらなければ、世界も変わりません。世界は、セルフイメージに依存しているのです。
そのため、SLIMではセルフイメージの開発を重要視し、セルフイメージのトレーニングを徹底的に行います。
では、セルフイメージの開発をどのように行うのでしょうか。

<セルフイメージの開発>
セルフイメージの開発の土台となる概念は、「目的志向」です。「目的志向」とは、まず目的があり、それを達成するために行動や思考を動員する姿勢や生き方のことです。目的志向の生き方を実践する人は、セルフイメージもまた「意図的に変える」ことができるものとして捉えます。そしてセルフイメージは事実、意図的に変えることのできるものなのです。
セルフイメージを意図的に変えることができるものとすれば、どのようなセルフイメージにすればよいか。一つ確実に言えることは、目的を達成するためには「ポジティブなセルフイメージ」が好ましいということです。

<ポジティブなセルフイメージ>
ポジティブなセルフイメージとは、「私は~できる」、「私は気分が良い」、「私は目標を必ず達成する」、「私は幸せだ」といったセルフイメージのことです。ここで大事なことは、実際に「自分が今ポジティブな状態であるかどうか」は関係ないということです。ポジティブなセルフイメージは、人をポジティブな行動をとることに向かわせます。なぜなら、セルフイメージは、人間の行動に直接の影響を与えるからです。このようにSLIMでは、自分にとって望ましい行動をとるために、思考や感情を総動員します。SLIMでは、ポジティブなセルフイメージを開発するために、言葉の力を使います。ここでは、セルフイメージを開発するための言葉を「セルフトーク」と呼びます。
試しに、ポジティブなセルフトークを作ってみましょう。

例 「私はできる」
  「私は気分がすこぶる良い」
  「私は幸せな気持ちでいっぱいだ」
  「私は望んだものを何でも手に入れることができる」
  「大丈夫、私は絶対に大丈夫だ」
  「絶対にうまくいく」

次に、先ほど作ったポジティブなセルフトークを声に出して読んでみましょう。最初は違和感を感じたり、恥ずかしく感じるかもしれません。しかし、最初は何も考えずにただ繰り返し声に出して読んでみましょう。

例 「私はできる、私はできる、私はできる…」
  「私は幸せだ、私は幸せだ、私は幸せだ…」

何も考える必要はありません。「実際にそう感じるかどうか」は関係ありません。ただ、「発声する」という行為そのものを楽しむかのように、声に出して読んでみましょう。

例 「私は幸せな気持ちでいっぱいだ、私は幸せな気持ちでいっぱいだ、私は幸せな気持ちでいっぱいだ…」
  「私は望んだものを何でも手に入れることができる、私は望んだものを何でも手に入れることができる、私は望んだものを何でも手に入れることができる…」

ポジティブなセルフトークを何度か声に出して読んでみて、どんな気持ちになりましたか?最初は何も感じなくても、何も考えなくても結構です。やがて時間が経てば、少しずつですが確実に成果が表れてきます。
今日のレッスンはこれで終わりです。よく頑張りましたね。次のレッスンまで、ゆっくり休みましょう。
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<セルフトークの練習>
こんにちは。前回は、ポジティブなセルフトークを練習しましたね。
今日も、ポジティブなセルフトークをもう少し練習してみましょう。今日は練習のときに、以下の点に気をつけながら読んでみましょう。
 1.ポジティブなセルフトークの先頭に「一人称」(私、僕、自分…)をつけて読んでみましょう。
 2.ポジティブなセルフトークを読む際に、感情を少し込めてみましょう。例えば、「私は幸せだ」というセルフトークを読む際に心の中で”私 は幸せだ”と感じるように意識してみ ましょう。最初はうまくできなくても構いません。ただ、感情を込めようと意識するだけで構いません。

早速練習してみましょう。

例 「私はできる、絶対にできる!」
  「私は素晴らしい人間だ!」

最初はうまくできなくて構いません。うまくできない場合は、抑揚をつけて読んでみましょう。特に、「絶対に」や「素晴らしい」といった単語にアクセントをつけて強く発音してみましょう。セルフトークが少しずつ、確実にうまくなっているはずです。大丈夫、確実に前へ進んでいます。

<ポジティブなセルフイメージへの転換>
ただ、生活するうえでどうしても、ネガティブなイメージが浮かんでくることがあります。例えば、「嫌な感じがする」、「気分が悪い」、「うまくいくか不安だ」といった具合です。そのようなネガティブなイメージが浮かんだときにこそ、ポジティブなセルフイメージが特に効果的になります。これが、セルフイメージの転換です。試しに、セルフイメージの転換の練習をしてみましょう。セルフイメージの転換は、最初にネガティブなイメージを思い浮かべて、その後にそのイメージを打ち消すかのように、ポジティブなセルフイメージを音読することで可能になります。以下の例を参考にして実践してみましょう。

例 ・「うまくいかないことがあるかもしれない」と思った後に、「でも、私はできる」と声に出す
  ・「気分が浮かない気がする」と思った後に、「しかし、私はますますエネルギッシュになっている」と声に出す

このような練習を行うことによって、ネガティブな気持ちが起こっても、すぐにポジティブなセルフイメージへ転換することができるようになります。ポジティブなセルフイメージへの転換を数分間の休息(インターバル)を挟んで何度か行ってみましょう。

<自分の思考や感情の特徴を知る>
これまで、ポジティブなセルフイメージへの転換を練習してきました。ポジティブなセルフイメージを練習するうえで重要なことは、自分の思考や感情の特徴を知ることです。ただ一方で、自分の思考や感情の特徴を知ることは最も難しいことでもあります。自分のことは自分が一番分からないからです。自分の思考や感情の特徴を知るために、どのようなトレーニングがあるか紹介していきましょう。

例 ・自分がどのようなことを思っているかに気を留めてみる
  ・自分がどのようなことを思っているかを紙に書き出してみる
  ・自分がどのようなときに良い(ポジティブな)気持ちになるかを書き出してみる
  ・自分がどのようなときに悪い(ネガティブな)気持ちになるかを書き出してみる

特に、自分がどのようなときに悪い(ネガティブな)気持ちになるかを知れば、効果的にポジティブなセルフイメージへの転換を行うことができるようになります。ネガティブなイメージが浮かんでくるときには、例えば以下のような特徴があります。

例 ・空腹時
  ・睡眠不足の時
  ・生理的に不調な時(風邪、腹痛、生理痛など)
  ・孤独を感じた時
  ・人混みの中にいる時
  ・天候が悪いとき
  ・心ない言葉をかけられたとき

自分の思考や感情の特徴を知ることにより、ネガティブなイメージが浮かんたまさにそのときに、ポジティブなセルフイメージへの転換を行うことができるようになります。

<エクササイズ>
自分がどんなときにネガティブな気持ちになるのか観察してみましょう。
ネガティブな気持ちが浮かんだら、それをできるだけ紙に書き留めてみましょう。紙に書き留めた後、すぐポジティブなセルフイメージへの転換をしてみましょう。今日のレッスンはこれで終わりです。よく頑張りましたね。次のレッスンまで、ゆっくり休みましょう。
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<自分を演出する>
前回は、ポジティブなセルフイメージへの転換を練習しました。自分の思考や感情の特徴を知り、特にどんなときにネガティブなイメージが浮かんでくるかを把握すれば、ポジティブなセルフイメージへの転換を行えることを学びました。
今回は、さらに一歩進んで「できる自分」を演出する練習をしましょう。「こうなりたいと思った自分の姿」や「理想的な自分の姿」を心の中、身体の中でイメージしてみましょう。最初は、うまくできなくて構いません。「こんなはずがない」と思うほどの理想的すぎる姿でも構いません。

例 「私はできる人間だ。私は輝いている。私は周りを引っ張っていく存在だ。」
  「私は何度でも立ち上がる。苦しいことや困難もある。しかし私は決して諦めない。私はこんなところで終わる人間ではないからだ。」

さらに、「できる自分」のセルフトークを背筋を伸ばし、笑みを浮かべ、声に抑揚をつけて読んでみましょう。

例 「私はできる人間だ。私は輝いている。私は周りを引っ張っていく存在だ。」
  「私は何度でも立ち上がる。苦しいことや困難もある。しかし私は決して諦めない。私はこんなところで終わる人間ではないからだ。」
  「私はかっこいい。私は美しい。私は自分のことが好きだし、周りの人も私のことを好きでいてくれる。」

さらに、鏡を見ながら、以上のセルフトークを声に出してみましょう。鏡を見ながらセルフトークを実践することで、より効果的に五感を活用することが可能になります。

何度も言いますが、セルフトークの内容に対して実際にどう思っているかは関係ありません。難しく考えず、粘り強くつづけてみましょう。
今日のレッスンはこれで終わりです。よく頑張りましたね。次のレッスンまで、ゆっくり休みましょう。
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<タスクの完了とサンドウィッチ・メソッド>
前回は、「自分を演出する」ためのセルフトークを実践しましたね。大丈夫です。一歩ずつ前へ進んでいます。
今回は、今まで実践してきたセルフトークに、少しずつ行動を絡めていきましょう。簡単にできるタスクを行ってみましょう。やり方を説明します。
まず、今まで行ってきたポジティブなセルフトークを声に出します。

例 「私は自信を持ち、自分自身を尊敬している。」
  「私は着実に進歩している。」

そして、その後すぐに簡単なタスクに取りかかります。ポイントは、時間や労力を殆ど要しないような本当に簡単なタスクを選ぶことです。
決して難しいタスクを最初から行おうとしないでください。以下に、幾つか例を挙げます。

例 ・カーテンを開ける
  ・窓を開ける
  ・椅子やベッドから立ち上がる
  ・やってみたいことを一つ紙に書く
  ・電気のスイッチをつける
  ・ストレッチをする
  ・一歩部屋の外に出てみる
  ・顔を洗う
  ・一つだけ物の配置を変えてみる(ex.本を机の右側に置く)

タスクをやり終えたら、もう一度ポジティブなセルフトークを声に出してみましょう。

例 「私は自信を持ち、自分自身を尊敬している。」
  「私は着実に進歩している。」

また、以下のような言葉で、タスクを完了した(タスクに手をつけた)自分を褒めましょう。

例 「すごい!すごいよ!」
  「よく頑張ったね!」
  「偉いね!」
  「頑張った君が大好きだよ!」
  「そんな君が魅力的だよ!」

以上をまとめると、順番は以下の通りです。

【順番】
1.ポジティブなセルフトーク→2.タスクの完了→3.ポジティブなセルフトーク

ポイントは、①ポジティブなセルフトークとタスクの完了をサンドウィッチのように交互に行うこと、②セルフトークとタスクの完了との間に時間を空けないこと、そして③決して難しいタスクを行おうと考えない(スモールステップでよい)ことです。
この「サンドウィッチ・メソッド」を使うことで、無理なく少しずつ自分に自信をつけていきましょう。ポジティブなセルフトークを声に出してすぐにタスクに取りかかります。そして、タスクの完了と同時に、またポジティブなセルフトークを声に出します。このエクササイズを行うことで、行動と言葉の方向性を一致させ、自信をつけることができます。可能であれば、鏡の前で(笑みを浮かべながら)ポジティブなセルフトークを声に出してみましょう。
今日のレッスンはこれで終わりです。よく頑張りましたね。次のレッスンまで、ゆっくり休みましょう。
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<複数のタスクとベスト4>
前回は、ポジティブなセルフトークに加えて、初めて簡単なタスクを行ってみました。よく頑張りましたね。疲れを感じたら、少し休むようにしましょう。焦らなくて大丈夫です。
今回は、2つ以上のタスクをやってみましょう。2つ以上といっても、難しいタスクを行う必要はまったくありません。

例 ・椅子やベッドから立ち上がる→カーテンを開ける
  ・靴下を履く→椅子やベッドから立ち上がる

最初はゆっくりで構いません。焦らず行ってみましょう。
次に、2つのタスクを箇条書きで紙に書き出してみましょう。

例 ・椅子やベッドから立ち上がる
  ・カーテンを開ける

2つのタスクを書き出したら、その2つのうち、より簡単なものを選び右側に書きましょう。

例 ・椅子やベッドから立ち上がる → ・椅子やベッドから立ち上がる
  ・カーテンを開ける

そして、右側に書き出したタスクから最初に手をつけるようにするのです。このように、常に最も簡単なタスクから始めることで自分に自信がつき、それ以外のタスクにもスムーズに取り組むことができるようになります。この理論をここでは「ベスト4」と呼びます。複数のタスクを「ベスト16」→「ベスト8」→「ベスト4」→「ベスト2」と、まるでトーナメント形式のように選んでいく方法だからです。タスクが3つ以上になったときも、やり方はまったく同じです。
タスクが3つ以上ある場合、以下のように「ベスト4」メソッドを使います。

例 ・椅子やベッドから立ち上がる → ・椅子やベッドから立ち上がる → ・椅子やベッドから立ち上がる 
  ・カーテンを開ける        ・カーテンを開ける
  ・靴下を履く

この場合、一番右側に書き出したタスクから手をつけ、次に右から二番目のタスク、最後に一番左側のタスクに手をつけます。
手をつける順に、タスクに①~③の番号をつけると、以下のようになります。

例 ①椅子やベッドから立ち上がる → ①椅子やベッドから立ち上がる → ①椅子やベッドから立ち上がる 
  ②カーテンを開ける        ②カーテンを開ける
  ③靴下を履く

これが4つ、5つ、6つとなってもやり方は同じです。この「ベスト4」を行うときの最大のポイントは、優先順位を定めてタスクに手をつけたら、「今、手をつけているタスクのことだけを考える」ことです。言い換えれば、優先順位が後のタスクのことは一切考えないことです。例えば、「椅子やベッドから立ち上がる」というタスクを実践するときは、「カーテンを開ける」などの他のタスクのことは一切考えません。そうすることで、タスクの完了度、完成度が高くなります。決して焦らず、目の前の一つのことだけに意識を集中させるよう心がけましょう。そうすることによって、集中力というものは自ずと身についていきます。
そして、タスクを完了したら必ず自分を褒めましょう。

例 「すごい!すごいよ!」
  「よく頑張ったね!」
  「偉いね!」
  「頑張った君が大好きだよ!」
  「そんな君が魅力的だよ!」 

今日のレッスンはこれで終わりです。よく頑張りましたね。次のレッスンまで、ゆっくり休みましょう。
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2.「生きる」とは?

<なぜ生きるのか?>
唐突な質問ですが、人間はなぜ生きるのでしょうか?私たちは、そもそもなぜ生まれてきたのでしょうか?
好きなことをするため?楽しく生きるため?人に貢献するため?生きる意味は人によって違う?生きる意味なんてそもそもない?
生きる意味や理由については、昔から様々な見解があります。そもそも生きる意味を考えること自体に論理がない、矛盾しているという意見もあります。
生きる目的など本当にあるのでしょうか?

<生きる目的と今までの人生>
それでも、人生には「目的」があるという前提で話を進めると、あることに突き当たります。それは、今までの人生において支配的な価値観(大切だった価値観)は何か、ということです。言い換えると、自分の今までの人生はどのような「方向性」を持っていたか、ということです。
自分の人生の価値観や方向性は、以下のような質問に答えることで把握することができます。

・今までの人生において、大切だった「価値観」は何ですか?それは今でも本当に大切ですか?
・どんなときに一番「幸福」だと感じますか?それはなぜですか?その気持ちを「再現」することは可能ですか?
・今までの人生において、一番悲しかった瞬間は?それはなぜですか?もう一度同じ出来事が起きたら、今でも同じように悲しくなると思いますか?
・今までゆるせないと感じたことは何ですか?それはなぜですか?今でもそれはゆるせないですか?
・今までの人生において、恥ずかしいと感じたことは何ですか?それはなぜですか?それは本当に恥ずかしいことなのでしょうか?
・今までの人生において、今だったらもっとうまくできると思うことはありますか?それは何ですか?今だったら、どんなふうにうまくできますか?
・今までの人生において、「こんな風になりたい」と思った人はいますか?自分はそんな風になれると思いますか?そうなるためには、何をすればいいと思いますか?

できれば、上の質問に対する答えを自分なりに紙に書き出してみましょう。うまく答えられなくても構いません。うまく言葉に出来なくても構いません。何となく感じて、振り返ってみてください。
ある程度書き出したり、まとめることができたら、一緒にお話ししましょう。

今日のレッスンはこれで終わりです。よく頑張りましたね。次のレッスンまで、ゆっくり休みましょう。
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3.目的・目標設定(マスターリスト)

<目標とは何か?>
前回は、今までの人生における価値観と目的について振り返ってみました。
今回は、いよいよ「目標」(goal)を創ってみましょう。そもそも「目標」とは何でしょうか?「目標」とは、「期限を伴った夢」だと言えます。ただし、ここでは夢と目標の違いについて、それほど深く考えなくて大丈夫です。
なぜ、夢や目標を持つことがポイントなのでしょうか?それは、夢や目標だけが究極的には「現実を突き動かす力」を持っているからです。そのため、夢や目標は常に「現実に先立って存在する」ものです。
現実から夢や目標が生まれるのではなく、「夢や目標から現実が生まれる」のです。夢や目標を創ることで、自分の人生(現実)を能動的に創り出し、コントロールすることができるのです。
試しに、目標を一つ創ってみましょう。最初は漠然とした目標で構いません。

例 「10か国に行く」
  「本を1000冊読む」
  「好きな人に想いを伝える」
  「ゲームマスターになる」

もし目標の数値化が可能な場合、できるだけ数値化しましょう。(ex.「本を1000冊読む」)ただ、最初は漠然とした目標で結構です。徐々に具体的な目標を目指していきましょう。

例 「格好良くなる」
  「ピアノを弾けるようになる」
  「体重を5kg減らす」
  「アラビア語を話せるようになる」

ここでのポイントは、夢や目標を他人と比べないことです。自分が直感的に気になったことや情熱を感じたもの、好きなことを中心に目標を考えるようにしましょう。また、今達成可能かどうかはまったく関係ありません。むしろ、現時点で達成可能なものは「現実」であり、「夢」や「目標」ではありません。他人の目標(価値観)や現時点での達成可能性を完全に無視することが、目標を立てるときのポイントです。
目標を一つ思いついたら、試しに紙に書き出してみましょう。

例 「作曲をする」
  「乗馬を始める」
  「ヘアスタイリストになる」
  「人前で話せるようになる」

目標を紙に書き出したら、自分を褒めましょう。

例 「すごい!すごいよ!」
  「よく頑張ったね!」
  「偉いね!」
  「頑張った君が大好きだよ!」
  「そんな君が魅力的だよ!」

紙に書き出した目標が、あなたの成長のあかしです。大丈夫です。絶対に達成できます。
最後に、紙に書き出した目標を声に出して読んでみましょう。

例 「自作のパソコンを作る」
  「100m泳げるようになる」
  「体力をつける」
  「マーケティングの勉強をする」

最初は、本当に実現できるか不安になるかもしれません。しかし、何度も何度もくり返し声に出すうちに目標が潜在意識に刷り込まれ、自動的に実現するシステム(仕組み)が徐々に出来上がっていきます。今は焦らず、ゆっくりと目標を声に出してみましょう。まるで、すでにその目標を達成しているかのごとく。
紙に書き出した目標は、次回のレッスンまで取っておきましょう。(コピーでも構いません。)

今日のレッスンはこれで終わりです。よく頑張りましたね。次のレッスンまで、ゆっくり休みましょう。
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<マスターリスト>
前回は、「目標」を創ってみましたね。ただ、目標は一つとは限りません。
また、時間が経つにつれて目標は増えていくものです。
そこで、目標が生まれるごとに、それをリストに書き出してみましょう。ここでは、そのリストのことを「マスターリスト」と呼びます。

例 1.「自作ラジオを作る」
  2.「連続で10km走れるようになる」
  3.「スキューバダイビングをする」
  4.「競馬場に行く」

目標は、いくつに増えても構いません。目標が増えるごとに、マスターリストに書き加えるようにしましょう。目標のリストが増えるたびに楽しい気持ちになってくるはずです。

今日のレッスンはこれで終わりです。よく頑張りましたね。次のレッスンまで、ゆっくり休みましょう。
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4.目標達成のための計画・未来年表作り

<詳細リスト>
前回は、目標を「マスターリスト」に書き出してみましたね。ただし、マスターリストの段階では、目標を達成する具体的な期限や方法については触れませんでした。それは、マスターリストの時点では、実現可能性を無視してできるだけ多くの目標を創るためです。やりたいこと、気になったことが少しでも思い浮かんだら、あまり深く考えずにどんどん追加していきましょう。

例 「茶道を習う」
  「プラモデルを3体作る」
  「一人旅に行く」
  「映画を100作観る」

今回は、さらに目標を具体化してみましょう。

<未来年表とは?>
目標を達成するために最初に使用する強力なツールが「未来年表」です。未来年表とは、現在の状態と目標から逆算して1年後、2年後、3年後など未来の予定について記した年表のことです。未来年表を見ることで、今自分が目標の達成に向けてどの位置にいるかが一目で分かります。
未来年表を作成するときのポイントは、①まず初めに最終的な目標を書くこと、②現状を把握すること、③目標と現状の差(①-②)を書くことです。
まずは一つ簡単に書き出してみましょう。

例 ①目標:「心身ともに死ぬまで健康でいる」
  ②現状:「風邪を引くことが多い」、「ストレスを感じることが多い」
  ③目標と現状の差:「風邪を引く回数を減らす」、「ストレスを減らす」

上の例は、「数値化」することが難しい目標ですが、数値化できる場合は以下のようになります。

例 ①目標:「本を3000冊読む」
  ②現状:「1000冊」
  ③目標と現状の差:「本を2000冊読む」

ここで、一見数値化が難しく見える目標も、できれば以下のように数値化するようにしましょう。

例 「老後まで何の心配もなく暮らせる経済力をつける」→「1000万円貯める」

<目標の数値化と肯定形>
なぜ、目標をできるだけ数値化するのかというと、数値化した方が目標の達成が近づくからです。数値化がどうしても難しければ、「具体化」するようにしましょう。できるだけ目標を数値化・具体化することを意識して書き出してみましょう。

例 「良いスタイルを手に入れる」→「5kg痩せる」
  「日本で行ったことのない場所に行く」→「47都道府県に行く」
  「教養を身につける」→「特定の分野の専門書を100冊読む」
  「楽しく生きる」→「好きなことをして生きる」

また、ここで注意すべきポイントは、目標を「~しない」や「~ない」といった「否定形」の表現にしないことです。もし否定形の表現が思いついた場合は、以下のような肯定形の表現にします。

例 「遅刻しないようにする」→「30分前に着くようにする」、「早く着いて自習する」
  「タバコをやめる」、「禁煙する」→「健康になる」、「良い匂いになる」

なぜ否定形ではなく肯定形の表現にするかというと、肯定形の表現にした方が「実際に起きてほしいイメージ」を現実にできる可能性が高いからです。もし否定形の表現にしてしまうと、目標と逆の結果(=実際に起きてほしくないイメージ)を想起しやすくなってしまいます。そのため、否定形の表現よりも肯定形の表現にした方が、結果的に目標の達成が早くなります。

例 「遅刻しないようにする」という否定形の表現は、結果的に「遅刻する」というイメージを想起しやすくしてしまう

また、目標を肯定の表現にすることで、「なぜその目標が大切か」という本質が浮かび上がってきます。
例えば、「遅刻しないようにする」といった表現だけでは、「なぜ、遅刻しないようにしたいか?」といった本質が見えてきません。しかし、「30分前に着くようにする」や「早く着いて自習する」といった肯定形の表現にすることで、「早く目的地に着いて勉強するため」という本質が見えてきます。

最後の理由としては、否定形よりも肯定形の表現の方が「行動」を起こしやすくします。「~しない」や「~ない」といった否定形の表現は、「~なきゃ」、「~しないと」といった「義務」のイメージに容易に結びつきます。そして、そのような義務のイメージは「~しない(ならない)ことによって、悪い(良くない)ことが起きる」といったイメージや「面倒くさい」という感情を呼び起こし、結果的に行動を起こしにくくします。それに比べ、「~する」や「~したい」、「~なる」といった表現は「~する(なる)ことによって、良い(好ましい)結果をもたらす」というイメージを呼び起こすため、行動を起こしやすくします。そのため、結果的に目標が達成しやすくなるのです。

例 「お金に困らない生活を送る」→「お金持ちになって豊かな生活を送る」
  (左の「否定形」の表現よりも、右の「肯定形」の表現にした方が目標を達成する確率が高くなる。)
 
以上のように、目標は必ず「~する」や「~なる」といった「肯定形」の表現にします。次回も、未来年表についてレッスンを行います。

今日のレッスンはこれで終わりです。よく頑張りましたね。次のレッスンまで、ゆっくり休みましょう。
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<未来年表の項目を作る>
前回は、未来年表における目標の書き方についてお話ししましたね。今回からは、実際に未来年表を作っていきましょう。未来年表を作るときは、人生における目標を各項目に分けて書いていきます。
書き方に特に決まりはありませんが、まずは試しに、以下のような項目を紙に書いてみましょう。


①健康
②教養・知識
③心・精神
④社会・仕事
⑤プライベート
⑥経済・もの・お金

上に書いた6つの項目は、人生において大切と思われる項目の一例です。人によっては、以下のような項目群になることもあり得るでしょう。


①健康
②音楽
③アニメ
④お金

また、以下のような項目群になることもあるでしょう。


①スポーツ
②旅行
③ゲーム
④勉強

普遍的な正解はありません。自分にとって大切だと感じる項目を書き出してみましょう。

今日のレッスンはこれで終わりです。よく頑張りましたね。次のレッスンまで、ゆっくり休みましょう。
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<未来年表の目標とビジョン>
前回は、未来年表の項目を作りましたね。今回は、各項目ごとに目標と具体的な将来のビジョンを決めていきましょう。

例えば、「健康」という項目については、以下のような目標が考えられます。

例 項目:「健康」
  目標:「心身ともに死ぬまで健康でいる」

さらに、目標を達成したときのイメージや将来のビジョンを思い浮かべて、以下のように書き出してみましょう。

例 項目:「健康」
  目標:「心身ともに死ぬまで健康でいる」
  将来のビジョン:「バランスのとれた体型」、「体重60kg」、「精神的な安定」、「自分に自信を持っている」

各項目に対して目標とビジョンを書き出していくと、以下のようになります。


①項目:「健康」        目標:「心身ともに死ぬまで健康でいる」           将来のビジョン:「体重60kgを維持している」、「精神的に安定している」
②項目:「教養・知識」     目標:「専門家と交流できるような教養を身につける」     将来のビジョン:「日本有数の読書家になっている」
③項目:「心・精神」      目標:「明るく朗らかな自信家になる」            将来のビジョン:「自分から話しかける人になっている」
④項目:「社会・仕事」     目標:「ボランティアを通じて社会に貢献する」        将来のビジョン:「ボランティア団体を設立し、運営している」
⑤項目:「プライベート」    目標:「行ったことのない場所に行く」            将来のビジョン:「47都道府県を制覇している」
⑥項目:「経済・もの・お金」  目標:「老後まで何の心配もなく暮らせる経済力を身につける」 将来のビジョン:「貯金が1000万円ある」

今日のレッスンはこれで終わりです。よく頑張りましたね。次のレッスンまで、ゆっくり休みましょう。
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<未来年表の現状把握>
前回は、未来年表の目標と将来のビジョンを作りましたね。今回は、将来のビジョンに対する「現状」を把握していきましょう。
現状とは、単純に「今どんな状態か?」ということです。

例えば、「心身ともに死ぬまで健康でいる」という目標に対する将来のビジョンと現状を書き出してみると、以下のようになります。

例 目標     :「心身ともに死ぬまで健康でいる」
  将来のビジョン:「常に綺麗な声で話す」、「体重60kgを維持している」「野菜中心の食生活」、「精神的に安定している」
  現状     :「喉の風邪をひきやすい」、「体重65kg」、「炭水化物中心の食生活」、「夜になると精神的に不安定になる」

上のように現状を書き出してみたら次に、将来のビジョンと現状の「差」を書いてみましょう。

例 目標     :「心身ともに死ぬまで健康でいる」
  将来のビジョン:「常に綺麗な声で話す」、「体重60kgを維持している」「野菜中心の食生活」、「精神的に安定している」
  現状     :「喉の風邪をひきやすい」、「体重65kg」、「炭水化物中心の食生活」、「夜になると精神的に不安定になる」
  差      :「健康な粘膜を手に入れる」、「5kg減量する」、「野菜を摂るようにする」、「一日を通じて精神的に安定する」
 
将来のビジョンと現状の差は、単純に「これを埋めたら目標を達成したと言える事実」のことです。将来のビジョンと現状の差を書き出すことで、これから「何をするか」が明確になります。

今日のレッスンはこれで終わりです。よく頑張りましたね。次のレッスンまで、ゆっくり休みましょう。
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<未来年表の計画>
前回は、未来年表を作成するうえで、将来のビジョンと現状の差を書き出してみましたね。今回は、いよいよ時系列に沿って未来年表の計画を作っていきましょう。
まず、現在の年齢を書きましょう。

例 20歳

そして、今の年齢(または年度)から10年後までの表を作りましょう。例えば、現在20歳の場合は、30歳までの年表を作ります。
年表のレイアウトは自由です。自分にとって見やすく、見ていてワクワクするような年表を作りましょう。

時系列に沿って各年齢(年度)ごと(1年ごと)のビジョンを記入していきましょう。例えば、「野菜中心の食生活」という将来のビジョンに対しては、以下のような時系列ごとのビジョンが挙げられます。、

例 将来のビジョン:「野菜中心の食生活」
  20歳     :「好きな野菜(トマト)を一日一個食べる」
  21歳     :「一日一食は野菜を摂るようになっている」
  22歳     :「一日一食の野菜に加えて、炭水化物を一日二食以下にする」
  23歳     :「一日一食の野菜に加えて、炭水化物を一日一食以下にする」

このように、年代ごとのビジョンを決めると、初めて「いつまでに何をするか」が明確になってきます。各項目に対して、各年代ごとのビジョンを記入していきましょう。
もし10年後までのビジョンが思い浮かばない場合、または10年よりもっと短い期間で達成したい場合は、例えば3年後や5年後までの計画で構いません。計画を立てた後も、何度でも修正できます。未来年表はその都度修正し、見ていて楽しくなるような年表にしていきましょう。

今日のレッスンはこれで終わりです。よく頑張りましたね。次のレッスンまで、ゆっくり休みましょう。
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<計画の細分化>
前回は、未来年表の1年ごとの計画を作りましたね。今回は、その計画をより小さな単位に分解していきましょう。

サラミスライス・メソッド>
10年後や5年後の計画を立てたとしても、いきなりその目標を達成することはできません。そのようなときは期間を短く区切って、計画を「細分化」することが常に有効です。
例えば、1年後のビジョンを「2kg減量している」と設定したとき、以下のようにビジョンを細分化することができます。

例 1年後 :「2kg減量している」
  6か月後:「1kg減量している」
  3か月後:「0.5kg減量している」
  1か月後:「0.25kg減量している」  

このように細分化する方法を、ここでは「サラミスライス・メソッド」と呼びます。まるでサラミをスライスするかのように、計画を細分化していくからです。この方法を使えば、将来のどんな目標や計画も細分化し、現在の時間に当てはめることができます。そして、そのように細分化すればするほど、目標を達成する確率は高まります。

<詳細リスト>
サラミスライス・メソッドを使って、まずは1か月後まで計画を細分化してみましょう。
そうすると、自動的に「月間リスト」が出来上がります。

例 「0.25kg減量している」

さらに、月間リストを細分化して1週間後まで計画を細分化してみましょう。
そうすると、「週間リスト」が出来上がります。

例 「0.1kg減量している」

さらに、週間リストをさらに細分化して1日後、つまり「日間リスト」を作ってみましょう。

例 「一食の摂取カロリーは600kcalまでにする」

ここまできたら、やることはもう明確です。このように「10年後」や「5年後」の計画であっても、「今日やること」に細分化することができます。
月間リスト、週間リスト、日間リストを作ることで、将来のビジョンをより具体的にイメージすることができるようになり、やることが明確になり、行動に結びつきやすくなります。
以前に作った「マスターリスト」は、単純に自分がやりたいこと、気になったことを期限を定めずに書き出したリストでした。それに対して、今回作った月間リスト、週間リスト、日間リストは、未来年表から逆算し、期限を区切って書き出したリストです。それらのリストを活用することで、目標の達成に向けた歩みは自然に加速します。

今日のレッスンはこれで終わりです。よく頑張りましたね。次のレッスンまで、ゆっくり休みましょう。
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5.目標達成のための習慣(しくみ)作り

<やることリスト>
前回は、未来年表から計画を細分化し、月間リスト、週間リスト、日間リストを作ってみましたね。今回は、目標を達成するための強力なツールを紹介します。
まず紹介するのは、「やることリスト」です。これは、目標の達成のために一日ごとに立てるリストです。目標の達成に必要だと考えられるタスクを書き出します。

例 ・専門書を10ページ読む
  ・20分間ランニングをする
  ・映画を一作観る
  ・通信販売の購入代金を口座に振り込む
  ・英単語を5つ覚える

前回作った「日間リスト」と異なる点は、「通信販売の購入代金を口座に振り込む」といった、一見すると目標の達成に直接の関係はありませんが、「間接的」に目標の達成に関係するタスクも書き出す点です。「日間リスト」の場合は「最終的な目標」や「ビジョン」の方に重きが置かれているのに対して、「やることリスト」の場合は「今日やること」という観点に重きを置いています。そのため、「やることリスト」には、大なり小なり今日やるすべてのタスクを書き込みます。

例 ・ゴミ捨てをする
  ・イタリア旅行にかかる費用を調べる
  ・コンサートのチケットを予約する
  ・ボールペンを買う

さらに、タスクを行うときは、第1章で紹介した「ベスト4」のテクニックを使って優先順位を決めると効果的です。
また、タスクが難しく感じるときや気が進まないときは、第4章で紹介した「サラミスライス・メソッド」のテクニックを使ってタスクの細分化を行いましょう。
「千里の道も一歩から」です。イタリアに旅行した人も、最初の最初は「イタリア旅行のガイドブックを買う」こと、「イタリア旅行について調べるためにパソコンを起動する」ことから始めたのですから。

<ABCメソッド>
以上のように「やることリスト」を箇条書きで並べるだけでも効果はありますが、さらに効果的にタスクを行うための方法を紹介します。
以下のように、やることリストとして箇条書きにしたタスクの優先順位を大まかに決めていきます。

例 A
  ・専門書を10ページ読む
  ・20分間ランニングをする
  ・通信販売の購入代金を口座に振り込む
  B
  ・英単語を5つ覚える
  C
  ・映画を一作観る

上の例は、アルファベットのA・B・Cという文字を使って、やることリストのタスクを優先順位に分けた例です。A>B>Cの順で優先順位が高いタスクとなります。
ここでのポイントは単純です。Aのタスクを終えるまではBのタスクには手をつけない。Bのタスクが終わるまではCのタスクに手をつけない。たったそれだけです。
この方法を、ここでは「ABCメソッド」と呼びます。この「ABCメソッド」に加えて、「ベスト4」や「サラミスライス・メソッド」を使うことで、優先順位の高い順にタスクをスムーズに完了することができるようになります。

<睡眠>
目標を達成するため、人生を豊かにするために、「睡眠」(Sleep)はトップレベルに重要な要素です。良い睡眠をとることで、常に高い集中力を発揮することができ、自然に前向きな気持ちになることができます。反対に、睡眠の質の低下や睡眠不足は、集中力や脳機能の低下、ネガティブ(否定的)な感情などを引き起こしやすくなります。いわば、睡眠時間は人間にとって最も生産的な時間だと言えます。
「~時間の睡眠をとれば十分」という普遍的な基準があるわけではありませんが、明らかに短い睡眠は人間にとって害でしかありません。ただし、どうしても眠れないときに「無理やり眠ろうとする」ことはむしろ逆効果になる場合もあります。どうしても眠れないときは無理に眠ろうと考えず、「今日はしょうがないんだ」と開き直って、「眠れない自分」を認めてあげるようにしましょう。

<栄養>
目標を達成するために、「栄養」()も極めて重要です。栄養不足、特に栄養のバランスが崩れることは、身体の機能に支障を来す可能性があります。そうは言っても、あまり気にしすぎる必要もありません。栄養に関して気にしすぎることが、逆にストレスになる可能性もあるからです。栄養のバランスが偏らないよう頭の片隅で意識しておけば、問題ないでしょう。

<休息>
人間にとって、「休息」(rest)は非常に重要です。なぜなら、休息をとることによって初めて心身の疲れをとり、行動のための新たなエネルギーを生み出すことができるからです。
心身の疲れは、「身体の疲れ」と「心の疲れ」に分けることができます。ここでのポイントは、「身体の疲れ」は身体を休めることによって殆ど比例的に回復するのに対し、「心の疲れ」は比例的に回復するとは限らないという点です。そのため、休息によって一時的に「身体の疲れ」は回復しても、「心の疲れ」が残ったまま生活している人は多くいます。私たちは、できるだけ「心の疲れの回復」に注目した休息法を実践する必要があります。
「心の疲れ」を回復するためには、自分にとって楽しいと感じる、ワクワクするようなことをしましょう。

例 ・好きなテレビ番組を観る
  ・天体観測をする
  ・大きな声で歌う
  ・好きな食べ物を食べる

<居場所>
人間には、「自分だけの居場所」いわば、自分だけの「秘密基地」が絶対に必要です。なぜなら人間は一人で生まれ、そして一人で死んでいくからです。これは普遍的な事実です。
この普遍的事実に気づいたとき最初、人間はショックを感じ、傷つきます。深い悲しみに襲われます。しかし人間の希望は、「究極的にどこまで行っても人間は孤独な存在」という事実にしか存在しません。私たちSLIMは、一人でたたかうあなたの「応援団」です。そして、私たちはあくまで、あなたを応援することしかできません。
私は私の人生に責任を持ちます。あなたもあなたの人生に責任を持って生きています。そして、それは美しい事実です。
自分の人生に責任を持って生きるかぎり、SLIMは皆の「居場所」です。

<物理的な逃げ道を塞ぐ>
目標を達成したいときに、「精神的な逃げ道」を塞ごうとする人はあまりに多くいます。「精神的な逃げ道を塞ぐ」とは、以下のような思考や姿勢のことです。

例 「一番にならなければ、生きている意味がない」
  「接客業たる者、常に笑顔でお客様に接さなきゃ」
  「大人として責任を持った行動をすべきだ」
  「エンジニアとして認められるために、最低限この資格を取らなきゃ」

このような思考や姿勢は、社会的に問題ない、または「あるべき姿」として評価されます。
しかし、このような生き方では、精神的に負の感情やストレスが自分の内側にどんどん溜まってしまいます。そして、それは「情熱(Passion)を押し殺す」生き方にほかなりません。情熱を押し殺す生き方は、この世の悪の最たるものです。
では、どのような考え方をすれば、目標の達成に近づくことができるのでしょうか?
答えは簡単です。「精神的な逃げ道」ではなく、「物理的な逃げ道」を塞ぐのです。言い換えれば、それは「情熱に従って生きる」ということです。

例 「一番になりたい」
  「笑顔で接したい」

これだけの情熱があれば、あとは殆ど何も要らないとさえ感じます。そして、未来を変える行動に向かわせる思考は、究極的には、このような情熱にもとづいた思考だけなのです。

<休むことが仕事>
心身が弱っているときは、休むことです。大丈夫です。休む時間はたっぷりあります。休むことが仕事です。
休んだらきっと事態は好転すると固く信じて、今は休みましょう。

<成功の定義>
人によって、「成功」(success)の定義は異なります。ある人にとっては「成功」と感じることが、他の人にとっては「失敗」になるのです。
「社長になる」という結果は、「社長になる」という目標を持つ人にとっては「成功」ですが、それ以外の人にとっては「成功」ではありません。
むしろ、「社長になって」忙しくすることは、「残りの人生を目一杯使って家族や友人との時間を過ごす」という目標を持つ人にとっては、最悪の「失敗」にほかなりません。
このように、人生にはそれぞれの異なる「目的」(object)が存在するだけなのです。

<あてになるもの>
人間に与えられたもののうち、あてになる(頼りになる)ものとあてにならない(頼りにならない)ものがあります。前者は、「潜在意識」、「セルフイメージ」、「想像力」、「目標」、「計画」、「習慣」などです。後者は、「時間」、「顕在意識」、「意志力」などです。前者は、使えば使うほどその威力を増します。反対に、後者は、使えば使うほど消耗します。時間や顕在意識、意志力は有限の資産であり、とても貴重です。
前者の力を存分に使って、後者にはできるだけ頼らないようにしましょう。

<自分の人生>
「社会的な責任」は、本人にとれなかったとしても、本人以外の誰かがとるものです。未成年者にとっての親権者の責任、ほか成年後見人の責任、被用者に対する使用者責任がそれに当たります。
しかし、「自分に対する責任」や「自分を偽った責任」をとることは決してできません。だから、自分自身を絶対に偽らない練習が必要なのです。

<一つずつ>
「一気にやらなければいけない」などというルールはどこにもありません。
一つずつ、一つずつ行っていけばよいのです。

いつまでも、いつまでも、SLIMはあなたの応援団です。